こんにちは、Fukuです。
前回は「モノ売り営業」と「コト売り営業」について寄稿しました。今回は、タイトル本題にある「営業はストーリーで語る」の核心に迫っていきます。下記の「【仕事レボ】営業はストーリーで語る(1)」を読んでない方は、こちらから読んでみてください。
分かりやすく解説できるように、イソップ寓話 の「3人のレンガ職人」を例に出しお話ししていきます。3人のレンガ職人は、「働く意味」や「モチベーションUP」の類で例に出されることが多いですが、今回は営業に置き換えて解説していきます。
3人のレンガ職人の話
まず、この「3人のレンガ職人」の話のご紹介です。
話の舞台は、中世のとあるヨーロッパの街。旅人と3人のレンガ職人が出会い、そこでの会話のやりとりから「目的意識の違い」を気付かされる、そんなお話です。
▼ストーリーを簡単に紹介
・街を歩く旅人が、重いレンガを積んでいる3人のレンガ職人と出会います。
・旅人は「そこで何をしているのですか?」と尋ね、それぞれの職人は次のようにこたえます。
・それぞれのこたえは、
◉職人A
レンガを積んでいる。暑いし大変だよ。
◉職人B
壁を造っている。大変だけど家族を養うために頑張っている。
◉職人C
歴史に残る大聖堂を造っている。この仕事に就けて光栄だよ。
職人Aは、嫌々ながら仕事をしている様子が想像できますし、職人Bはお金の為にという目的がみえます。職人Cは、町の人達のためにという想いや使命感がみえます。
前提ですが、3人の仕事内容や給料はまったく同じです。この差はまさに「目的意識の違い」です。
「【仕事レボ】営業はストーリーで語る!(1)」でモノ売り営業とコト売り営業の定義を紹介していますが、コト売り営業を実践するためにはストーリーが大切になってきます。そのためにも、まずは目的意識について知るために3人のレンガ職人を例に出しました。
“ネジとドリル”目的意識の差について
・お客様の課題を解決することが目的 →コト売り営業
このように、どう考えても「コト売り」営業の方がお客様には信頼されます。
これもよく使われる例ですが、あなたがホームセンターの定員だったとします。お客様から「ネジを探している」と聞かれた場合、どんな言葉を投げかけますか?
1、どんな形(規格)のネジをお探しですか?
2、何用に使われるネジですか?
1と2の違いはわかりますか?
1だと、ネジがあるコーナーにすぐお客様をご案内することは可能ですが、それで終わってしまいます。2だと、例えば「DIYでつくっている「棚」を組み立てるためにネジが必要で」とお客様からヒアリングができ、「ネジもですが、ネジ穴をあけるためのドリルはお持ちですか?」と、ネジ+ドリルの提案ができます。
目的意識を整理すると、
・1がモノ売り営業(ネジを案内して売ることが目的)
・2がコト売り営業(お客様の課題を解決=棚を組み立てる道具一式を提案することが目的)
となります。
このように目的意識を変えるだけで、お客様にかける一言目も変わっていくわけです。
“営業はストーリーで語る”の核心
コト売り営業についてはご理解いただいたと思いますので、ここからさらに営業力をUPさせるポイント「営業はストーリーで語る」について解説していきます。
前回記事内の「俺にiphoneを売ってみろ」ロープレでは、下記のような振り返りをしました。
▼私のプレゼンの流れと改善ポイント
(1)現在使われている携帯電話の”機種”をヒアリング
_____ここで困っていることが無いかをしっかり聞く(もしくは仮説をぶつける)
(2)iphoneの”機能”や”料金説明”
_____“(1)”で出た困りごとは、iphoneの機能で解決できると伝える
(3)買ってくださいとクロージング
「コト売り営業」の実践では、
・悩みやお困りごとのヒアリング(仮説立て)
・解決手段として自社商品のプレゼン
が大事ですが、実はこれだけではまだまだ不十分です。
___何が重要か?
答えは、課題解決だけではなく、その先のワクワクを提供できるか?です。
「iphoneはいらないな」と言った上司が、iphoneを手に入れるとどのようなワクワクが待っているか。ここをしっかりとお伝えできていません。
上司は単身赴任で週末しかご家族と会えていませんでした。平日は仕事で帰宅時間も遅いです。電話は「メール」「電話」をするためのツールになっているのが当時の現状です。
ただそこに
・日々の疲れを癒す音楽プレーヤー
・慣れない土地でも、PCのように飲食店やクリーニング店など検索できる
・iphoneがあればいつでもどこでも家族とTV電話もできる
など、上司の日常をより豊かにできるツールであることを具体的なストーリーでお伝えできていたら、きっとその場で欲しいと思ってくれたと思います。
先ほどのDIYで棚をつくっている方にも、棚は誰がどのような用途でお使いになる棚なのかまで聞くことができれば、お客様がワクワクするような追加の提案もできるようになります。(例えば、子供の絵本用の棚であったならば、かわいい色に棚を塗るためにペンキの提案をするなど。きっとお客様も子供の喜ぶ顔をイメージして、ネジ・ドリル・ペンキを買う気になるかもしれません。)
これが、「営業はストーリーで語る!」の核心です。
営業で行き詰まっている方は、是非参考にしてみてください。
それでは、また。